大破ログ

日々大破、それと側転少々。PC関連その他、気になったことなどをつらつらと。

ELECOM WMC-2LX (WMC-X1800GST, WSC-X1800GS)

WMC-X1800GST内部

それぞれ柏豊四季と吉川のハードオフで見付けて少し迷った末に確保し、作業して投げ込んだものです。

まとめていきます。

仕様

基本的なハードウェア構成としては、既にサポート済のWRC-X1800GSTと大体同じものです。ただし、有線ポート数などが異なります。また、RAMは何故かMT7621機としては異様に大きい512MiBを搭載。
WMC-X1800GSTとWSC-X1800GSTでは、有線ポートを除けばほぼ同一のハードウェア構成。

法律の関係上、無線機能の使用は非推奨です

共通

  • SoC: MediaTek MT7621A
  • RAM: DDR3 512MiB
  • Flash: RAW-NAND 128MiB
  • UART: J4, 115200bps(三角マークから3.3V, GND, TX, RX)

WMC-X1800GST

  • WAN/LAN: 1000Mbps x1/1000Mbps x2

WSC-X1800GS

  • WAN/LAN: -/1000Mbps x2

その他詳細については、雑記を参照。

OpenWrt化

メーカーファームウェアにおけるNAND Flash上のパーティション構成に絡んで、initramfs-factoryイメージを使用した2段階の導入です。

  1. WMC-X1800GST/WSC-X1800GSを起動
    なお、WMCはルータモードに設定されていること、WSCは親機との連携が行われていないを前提とする
  2. http://192.168.2.1/ にアクセスし、ファームウェア更新ページに移動
  3. OpenWrtのinitramfs-factory.binイメージを選択し、適用ボタンを押下
  4. 更新が完了し再起動後、OpenWrt上でsysupgrade.binイメージを用いてsysupgradeを実行
  5. Flashに書き込み後再起動され、OpenWrtが起動して完了

備考

  • メーカーファームウェアにおいてOSデータ用に割り当てられている領域が 0xF00000 (15MiB) しか無く、OpenWrtにおいてNAND機に用いるUBIフォーマットを使用するにはあまりにも少な過ぎる為、NAND Flash後方の未使用領域をrootfsに割り当てている。

  • NAND Flashのbadblockを管理する機能がメーカーファームウェアブートローダの両方で実装されておらず、OpenWrtにおいても有効化することができない為、ファームウェアの更新やその他Flashの書き換えを頻繁に行わないようにし、badblockを発生させないよう注意する。

    • kernelの領域でbadblockが発生した場合、ブートローダが読み出したデータが破損している為ブート不可に陥り得る。rootfsではUBIを使用している為、多少の耐性はある。

作業時の色々

  • 備考で触れた通り、メーカーファームウェアにおいて、NAND Flashに何故か異様なパーティション割り当てが為されている。OSデータ格納パーティションとして何故か 0xF00000 (15MiB) しか割り当てられていない上、全てのパーティションを合わせても 0x1B80000 (27.5MiB) しか使用しておらず、128MiBあるFlashの4分の1にも満たない。
    15MiBではOpenWrtにおいてNANDで使用されるUBIを使うとなるとあまりにも少な過ぎる為、そこはkernelのみに充て、rootfsとユーザー用領域にはNAND Flash後方の未使用領域 (0x6480000, 100.5MiB) を充てることとした。

  • 既にサポート済のWMC-S1267GS2と同様に、LANポートのみのWSC-X1800GSでは親機との連携前は有線側のIPアドレス192.168.2.1 に設定されており、PC側のIPアドレスをそのアドレス帯に固定することでWebUIにアクセスが可能であった。

色々

特に意図せず親機と子機両方を確保することになったものの、両方ともマージされて一安心。

前述の通りRAMが異様に多く、Flashもまあ結果的にOpenWrtで使用できる領域は大きくなったものの、NANDであるにも係わらずbadblockの管理が行われていないのが不安要素ではある。なお、後継のGST2/GS2ではbadblockの管理が行われている模様。

パーティション構成の件は、32MiBのSPI-NOR用のレイアウトを流用したのだろうかなどと思うものの、真実は開発担当者のみぞ知る。