大破ログ

日々大破、それと側転少々。PC関連その他、気になったことなどをつらつらと。

多摩電子工業 Axing W06

OpenWrt masterに、多摩電子工業 Axingシリーズの小型無線LANルータ "W06 (AW06 / TW06W)" のサポートが追加されました。 upstreamに投げたものとしては、今回が初めてのデバイスサポート。

仕様

個人的に初のMT7688AN。購入時は正直無線の速度などからNexx WT1520に近い(RT5350, RAM 32MB, Flash 4MB)構成かと思っていたものの、実際に開けてみたら余裕を持った構成だった。
小型機としては大容量の16MB Flashでびっくり。通常サイズのルータで8MBしか無い機種を煽れる

  • SoC: MediaTek MT7688AN (575MHz, 1C1T)
  • RAM: DDR2 SDRAM 64MB
  • Flash: SPI Flash 16MB
  • WAN/LAN: 100Mbps x1
  • USB: USB 2.0 Type-A x1
  • UART: x1(RJ45側からGND, RX, TX, Vcc)

その他ハードウェアの詳細については、雑記ブログにメモしてあるのでそちらを参照。

OpenWrt化

メーカーファームがOpenWrtベースであり、またメーカーのアップデート用イメージも独自ヘッダや暗号化が一切無く単純なKernel + Rootfsの構成。そのため、factoryイメージを用意する必要が無かった。

  • W06を起動
    電源供給用のMicroUSBポートにケーブルを接続し、W06を起動
  • W06の無線LANに接続
    W06が起動したら、それが発しているSSIDに接続。LANポート側はデフォルトでWANとして設定されており、ルータのWebUIに接続できない。無線LANはデフォルトでLAN側。
    接続に必要なパスワードはルータ裏側のラベルに記載あり。
  • sysupgradeファームを投入
    WebUIにログインし(デフォルトでは admin/(空))、ファームウェア更新ページへアクセス。通常のアップデート手順でOpenWrtのW06用sysupgradeイメージを選択し、OKを押下するとFlashへの書き込みが開始される。
    この際特にファームウェアのチェックは厳密には行われないようで、すんなりいける(はず)。
  • 完了
    2分前後掛かるものの、Flashへの書き込みが完了して再起動する。
    再起動後、メーカーファームとは異なりLANポートをデフォルトでLAN側に設定してあるため、192.168.1.1でアクセス可。

注意事項など

  • メーカーファームへの書き戻しは、OpenWrt上でバックアップ済みのメーカーファームにおける "firmware" パーティションを使用して [sourcecode] sysupgrade -F -n firmware.bin [/sourcecode] とすることで可。
  • メーカーファームではシリアルコンソールにログインが必要であり、rootにパスワードが設定されている。メーカーファームがそもそもOpenWrtベースであるため、WebUIからOpenWrt化した場合ログインとパスワードも継承されてしまい、OpenWrt化後もLuCIへのログインやSSH、シリアルコンソールでのアクセス時にそのパスワードが要求されてしまう。
    このパスワードについては雑記ブログを云々。
    このログインとパスワードをOpenWrt化後に削除したい場合、WPSボタンを長押しすることでfactory resetが掛かり、OpenWrtの初期状態へリセットされるため削除できる。
  • メーカーファームでは筐体側面のWPSボタンがリセットと共用になっているものの、OpenWrtではリセットボタンのみに設定。

雑感

今回も以前WT1520のリセットボタンを追加した時と同様mkresin氏に助言して頂いたおかげで、なんとかサポート追加をすることができた。感謝。こちらの勘違いなどでだいぶ氏の手を煩わせてしまったけれども、それでもしっかり最後まで対応して頂いたのが非常にありがたい。
また、メンテナ氏の手を煩わせてしまうことになってしまうけれども、やはり自分の中だけで作業するのとPRを投げてやり取りしながら問題を解決して進めるのとでは、得られる知識量が段違い。今回得られた知識を活用しつつ、今後も色々取り組んでいければと思う。