台風で特にやること無いので、今更ながらビルドサーバを少し前に更改した詳細について書くことにしました。
旧構成
CPU, MB, RAMは以前メイン機として使っていたものを流用していたもの。
CPU | Intel Core i5 3570K |
---|---|
MB | GIGABYTE G1.Sniper M3 (Z77, MicroATX) |
RAM | UMAX DDR3 4GB x2, Corsair DDR3 2GB x2 |
SSD (host/system) |
Sandisk 120GB |
SSD (VM/system) |
A-DATA 250GB |
HDD (VM/data1) |
Samsung HD251HJ (7,200rpm, 250GB) |
HDD (VM/data2) |
Samsung HD502HI (5,400rpm, 500GB) |
PSU | Abee ZUMAX ZU-500N (ATX, 500W) |
更改理由
- ストレージのトラブル解消
- 1年以上前から、特にHDDにおいて
- 突然システムから切断される
- 切断されたHDDが自然には復活せず、再起動しても直らないことが多い
- 実際のディスクアクセスが全くないにも関わらず突然アクティブな時間が100%になり、ディスクアクセスをしばらく行えない
- 省電力化
- 実家暮らしのため、少しでも消費電力量を削減したかった。
- 性能向上
- Core i5 3570Kは第3世代Core iシリーズであり、現行のIntel/AMD CPUと比べると大きく見劣りすると思われたため。
- 単純な興味
- 現行CPU等への単純な興味。AMDもRyzenが登場し、かなり気になっていた。
上記のうち、最大かつ緊急の理由は一つ目のストレージの問題。
検討基準
- 予算
- CPUとMBを最大で4万円までに収めること。ただし、後に電源ユニットも含めてこの予算に収めることになる。
なお、RAMについては旧構成はDDR3であるが、メインのデスクトップ機がDDR4 4GB x2 + 8GB x2という構成になっており4GB x2を流用できるため、購入しない。 - コストパフォーマンス
- 価格を抑えつつ、現行(旧構成)と同等または超える性能を出せること。
ちなみに、この項目によりIntelはすぐに選択肢から消えた。 - 耐久性
- コストは削りつつ、ビルドサーバという性格上耐久性は可能な限り重視し、 "高耐久" を謳う製品を中心に絞る。
新構成
新規購入はCPU, MB, PSUの3点。費用は合計 33,965円也。旧構成のCPU, MB, RAMは当日買取に出して10,700円を確保した。
CPU | AMD Ryzen 5 3400G |
---|---|
MB | ASUS TUF B450M-PRO GAMING (B450, MicroATX) |
RAM | Panram DDR4 4GB x2 |
SSD (host/system) |
Sandisk 120GB |
SSD (VM/system) |
A-DATA 250GB |
SSD (VM/data) |
Crucial 500GB |
HDD (VM/data1) |
Samsung HD251HJ (7,200rpm, 250GB) |
HDD (VM/data2) |
Samsung HD502HI (5,400rpm, 500GB) |
PSU | 玄人志向 KRPW-BK550W/85+ (ATX, 550W) |
選定理由
- AMD Ryzen 5 3400G
- 予算, コストパフォーマンスの2点から。Intelで旧構成のクロック/コア(スレッド)数と同程度以上と考える場合高くなりがちであり、検討を始めてすぐに除外。また、AMDの場合Intelとは対照にGPU搭載CPUが少なく、コア(スレッド)数、クロックとGPU内蔵であることを考えると、Ryzen 5 3400Gが妥当という結論になった。
- ASUS TUF B450M-PRO GAMING
- 予算, 耐久性の2点から。高耐久部品の採用を謳っており、期待の意味も込めて採用。
ちなみに当初はB450M-PLUS GAMINGで考えていたが、TSUKUMO eX.店頭にRyzen 3000シリーズ対応UEFI適用済み個体の在庫が無く、諦めて1つ上のPROを購入。 - 玄人志向 KRPW-BK550W/85+
- 予算, 耐久性の2点から。あと80+ BRONZE準拠であることによる省電力性と、セミプラグインであることによるケーブル量の低減も少々。ビルドサーバに使用しているExpress5800/GT110bケースは電源ユニット装着部に出っ張りがあり、これにフィットする奥行サイズである必要もあった。
旧環境のZU-500Nがかなり長く使っていることから、ストレージのトラブルに関わっている可能性も無きにしも非ずかと考え、急遽交換を決定。
ちなみに、電源をどれにするかは特に決めずに当日秋葉原へ行き、旧構成から廃止するパーツの買取査定中に何カ所か歩き回って決めた。
運用
運用は旧構成と同じく、Microsoft Hyper-V Serverをホストとして、Jenkinsからアクセスされるslaveをビルド用VMとし搭載する。ホスト環境はメイン機 (Windows 10) などからRSATやRDPを用いて管理する。
Guest VM (for Build) |
Ubuntu Server 18.04 LTS |
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Host | Microsoft Hyper-V Server 2019 |
実際にビルドに使用した感じでは、旧環境では50分前後掛かっていたOpenWrtのフルビルドが回線状況など良いときは34分程度で終了するなど、良好な様子。このまま、トラブル等無く今後長く頑張ってほしい。
余談: Microsoft Hyper-V Server 2019での使用に関して
- Windowsのスリープを有効化できない
- AMDの現行GPUドライバ(RADEON含む?)はWindows Server系にインストールできない模様。このため、Hyper-V Server 2019でもRyzen 5 3400GのGPUドライバがインストールできず、Microsoftの標準ドライバが使用されるためスリープが有効にならず、利用できない。
- WoL
- 特に設定しなくてもシャットダウン後も対向のデバイスとリンクし続けていたが、WoLを利用するにはUEFI設定から "Wake On By PCI-E" を有効化する必要があった。
その他
- AMDのCPUクーラーはソケット周辺のアタッチメントを使用して取り付けるものと思っていたが、Ryzen 5 3400GのリテールクーラーはMB側の部材を取り外してネジ止めする必要があった。
- リテールクーラーは事前に調べて把握していた通りしっかり冷え、OpenWrtビルド時にCPUが100%到達している状態が続いても最大65℃程度を維持しており、問題なさそう。
- PCの再起動時にDVI-Dから出力されなくなる事象が発生したものの、UEFIのGPU設定周辺を弄ったら解決。
- 初期設定で起動したところ、RAMがGPU用で2GB近く取られてしまい、総量8GBからするとかなり厳しい状態に陥った。最低限のグラフィックしか使わないHyper-V Server 2019ではそんなに必要なはずはないので、UEFIの設定から64MB固定に変更し解決。