大破ログ

日々大破、それと側転少々。PC関連その他、気になったことなどをつらつらと。

I-O DATA WN-AC1600DGR2

花小金井ハードオフWRC-2533GSTと一緒に見つけ、初回はWRC-2533GSTのみ購入してこちらは見送ったものの、2回目行った際にやっぱり欲しいと思って購入したものです。
ath79にサポート追加を行い、マージされたのでまとめます。

仕様

BHR-4GRV2と同じくQCA9557です。2.4GHz帯にSoC内蔵の無線機能 (2T2R)を、5GHz帯にminiPCIeスロットに装着されたQCA9880カード (3T3R)を使用しています。いずれもOpenWrtでサポートされているため、機能はします(推奨するものではありません)。

  • SoC: Qualcomm Atheros QCA9557 (720MHz, 1C1T)
  • RAM: DDR2 SDRAM 128MB (NT5TU32M16DG-AC (64MB) x2)
  • Flash: SPI Flash 16MB
  • WAN/LAN: 1000Mbps x1 / 1000Mbps x4
  • USB: USB 2.0 Type-A x1
  • UART: 115200bps(RJ45側からVcc, GND, TX, RX)

その他ハードウェアやKernel等細かい点の詳細については、雑記ブログにメモしてあるのでそちらを参照。

OpenWrt化

以前サポートしたramipsのWN-AX1167GR同様、Senaoによる製造です。これによりアップデートファームが通常のSenaoのフォーマットのため、factoryを用意できました。
(factory投入時、WN-AC1600DGR2はルーターモードで起動すること。)

  • WN-AC1600DGR2を起動
    WN-AC1600DGR2に電源ケーブルを繋ぎ、普通に起動。
  • WebUIにアクセス
    PCとWN-AC1600DGR2をLANケーブルで繋いで http://192.168.0.1/にアクセス
  • ファームウェア更新ページへアクセス
    ファームウェアの手動更新ページへアクセス
  • ファーム更新
    WN-AC1600DGR2のfactoryファームを選択し、アップデートを実行
  • 完了
    Flashの書き込みが完了後再起動され、OpenWrtで起動してくる

備考

  • あくまで "WN-AC1600DGR2" のサポート。WN-AC1600DGR, WN-AC1600DGR3は恐らくハードウェアはほぼ同一であると思われるものの、持っておらず確認できていないためDGR2のみ。
    2019/02/17 追記: WN-AC1600DGRのサポートも追加しました。DGR2とは別個のファームウェアなので注意。
  • WN-AC1600DGR2ではkernel+rootfsの領域が "Kernel" として定義されており、メーカーファームでのアップデートはその部分が丸ごと書き換えられるため、OpenWrtファームでも問題なくfactoryイメージを用意できた。
    設定等保存用のstorageパーティションは使用せずread-only。
  • Senaoファームのフォーマットへ変換するmksenaofwはデフォルトではバージョン番号として "123" を使用するものの、WN-AC1600DGR2ではバージョンエラーになった。
    メーカーファームを確認したところ "200" がバージョン番号として設定されており、同じに設定したところ問題無く通過するようになった。
  • MACアドレスをcaldata (art)パーティションにhex値で持っておらず、Config (u-boot-env)のみに文字列で持つのみ。このため初回起動時に各無線アダプタに設定し直す必要がある。この方法について当初 10_fix_wifi_mac で設定し直すようにした。しかし、実際にはアダプタのfirmwareにpatchする方法が好ましいとのことで、メンテナ氏とメールでやり取りして最終的に 10-ath9k-eeprom 内でfirmwareにpatchするように変更した。(この後、ほかのPRとのconflictもあり再びいくらか変更されたが。)
  • BHR-4GRV2 (ath79)と同様に公式buildbotでは現時点ではビルドされないため、自ビルドの要あり。 -> source-onlyフラグが削除されて公式buildbotでのビルドが開始され、公式のダウンロードページ (downloads.openwrt.org) での提供が開始されました。
    当方のビルドは taiha.net/jenkins に有(自己責任で使用すること)。

色々

今回ar71xxからの移植ではない、新規デバイスのサポートということで緊張した。折しも、ath79の変更が多くのユーザーによって活発になっており、何かツッコミ入るのではというのもあった。途中メンテナ氏とコードの改善についてメールでやり取りして非常に緊張したものの、最後 "よくやったね" と言って頂けたのがとてもうれしい。
現状ath79はまだ公式buildbotでビルドされないものの、GbEかつUSBポートを搭載しており、比較的世代も新し目でOpenWrtの導入も簡単なため、安定した機種なのでは、とも思った。
余談: WN-AC1167DGRのサポート追加も考えています→しました