大破ログ

日々大破、それと側転少々。PC関連その他、気になったことなどをつらつらと。

I-O DATA WN-AC1167DGR

某フリマサイトで見つけ、WN-AC1600DGR2とおよそ同じハードウェアと予想されたことから購入してサポート作業したものです。マージされたので、まとめます。

仕様

BHR-4GRV2やWN-AC1600DGR2と同様、QCA9557です。2.4GHz帯にSoC内蔵の無線機能を使用すること、5GHz帯はminiPCIeスロットに装着されたカードを使用することもWN-AC1600DGR2と全く同じです。

  • SoC: Qualcomm Atheros QCA9557 (720MHz, 1C1T)
  • RAM: DDR2 SDRAM 128MB (NT5TU32M16DG-AC (64MB) x2)
  • Flash: SPI Flash 16MB
  • WAN/LAN: 1000Mbps x1 / 1000Mbps x4
  • USB: USB 2.0 Type-A x1
  • UART: 115200bps(RJ45側からVcc, GND, TX, RX)

その他ハードウェアやKernel等細かい点の詳細については、雑記ブログにメモしてあるのでそちらを参照。

OpenWrt化

WN-AC1600DGR2とmtdパーティション等全くと言っていいほど同じ構成のため、factoryファームを用意できています。

  • WN-AC1167DGRを起動
    WN-AC1167DGRに電源ケーブルを繋ぎ、普通に起動。
  • WebUIにアクセス
    PCとWN-AC1167DGRをLANケーブルで繋いで http://192.168.0.1/にアクセス
  • ファームウェア更新ページへアクセス
    ファームウェアの手動更新ページへアクセス
  • ファーム更新
    WN-AC1167DGRのfactoryファームを選択し、アップデートを実行
  • 完了
    Flashの書き込みが完了後再起動され、OpenWrtで起動してくる

備考

  • mtdパーティションからスイッチ(QCA8337)のポート構成、miniPCIeカードまで全部WN-AC1600DGR2と同じ構成だったため、全部dtsiに押し込んだうえでWN-AC1600DGR2からもそのdtsiを読み込むように変更した。
  • 当初筐体を開けた時点では、カードのみWN-AC1600DGR2では3本生えていたアンテナが基板上のパターンは残っているものの2本に減少していたため、 "基板が同一でminiPCIeカードのみ別" と予想していた。しかし、OpenWrt上でPCIe内の "device" が示すIDがWN-AC1600DGR2とWN-AC1167DGRで同一の "003c" だった。
  • MACアドレス関係はWN-AC1600DGR2と同じでu-boot-env内に文字列として持つのみであるため、有線/無線にはOpenWrt側のスクリプト内で設定。
  • この機種もath79であるため、現状では公式buildbotでビルドされず自ビルドの要あり。 -> source-onlyフラグが削除されて公式buildbotでのビルドが開始され、公式のダウンロードページ (downloads.openwrt.org) での提供が開始されました。
    当方のビルドは taiha.net/jenkins に有(自己責任で使用すること)。

色々

ar71xxからの移植ではない新規サポートとして自分が投げたものは2機種目。
前述の通りほぼ全部dtsiに押し込んだが、当初 qca9557_iodata_wn-ac1167dgr.dtsi としてPRを出したところ「WN-AC1600DGR2とWN-AC1167DGRのdtsに含まれることが予測できる名前にできないか」と指摘を受けたため、 qca9557_iodata_wn-ac-dgr.dtsi に変更してマージされた。
こちらはWN-AC1600DGR2と比べて無線周りは一段下ではあるものの、それ以外の仕様は同一であるため無線を使わないなら何も問題なし。これも手堅い機種かなという感じ。