以前、東久留米のハードオフでジャンク品を入手したもの。その後ath79への移植を行おうとシリアル (UART)のピンを立てるも読むことができず保留にしていましたが、解決でき作業も完了してマージされました。まとめます。
なお、今回のサポートは "A1A0" バージョンに対するものです。その他バージョンについてはハードウェアを確認できていないほか、"中身が異なる" という情報もあるため非対応としています。また、WZR-HP-G300NH2/WZR-300HPとも別に独立して "WZR-HP-G302H A1A0" としてのサポートです。
仕様
WZR-HP-G450Hと同様、AR7242を搭載する無線機です。
- SoC: Atheros AR7242 (400MHz, 1C1T)
- RAM: DDR2 64MB
- Flash: SPI Flash 32MB (16MB x2)
- WAN/LAN: 1000Mbps x1 / 1000Mbps x4
- UART: 115200bps(RJ45ポート側からVcc, GND, TX, RX)
その他ハードウェアやKernel等細かい点の詳細については、雑記ブログにメモしてあるのでそちらを参照。
OpenWrt化
こちらはWZR-HP-G450Hとは異なりメーカーファームでのファームチェックをパスできたため、Debugモードを使用する必要はなく直接投入することができます。
- WZR-HP-G302H A1A0を起動
電源ケーブルを接続し、通常通り起動。 - WebUIにアクセス
PCとWZR-HP-G302H A1A0をLANケーブルで接続し、http://192.168.11.1/
のファームウェア更新ページにアクセス - ファーム更新
WZR-HP-G302H A1A0用のfactoryファームを選択し、アップデートを実行 - 完了
ファーム更新後、OpenWrtで起動してくれば完了
備考
- ハードオフで購入後、何日か後にシリアルのピンを立ててハードウェアを調べようとしたものの、その際一切信号が出力されずコンソールに何も表示されない状態だった。
- これもFlashを2枚搭載していてWZR-HP-G450Hと同じ問題にあたったものの、前述の通りUARTの問題を解決するのに時間が掛かったため、作業再開時には既にFlash 2枚を扱うドライバはマージ済みだった。
- Kernel 4.14以降のNetfilter Flow Offloadingを雑に試してみたところ、300Mbpsも出なかった(少々記憶は曖昧ではある)。Offloadingをオフの時は200Mbpsを切っていた。
- ar71xxではWZR-HP-G300NH2のファームで動作する機種の模様。ath79でもar71xxにあるWZR-HP-G300NH2のコードを流用しているものの、mtdパーティションの構成がわずかに違っていた(firmware領域がG302H A1A0では0x30000 (= 192KiB)小さい)。
OpenWrtで使用する分には、恐らく問題ないとは思われる。ath79のG302Hでは、メーカーファームと同じパーティション構成に設定。 - USBポート横のLEDは、USBポートにデバイスを接続した際点灯するように設定済み。
- WZR-HP-G302Hの別のバージョンやWZR-300HPについては、現状所有していないので作業予定は無し。ジャンク等で安く放出されていない限りは、あまり積極的に確保はしない予定。
色々
UART周りの問題によってだいぶ手間取ったものの、最終的にath79へのサポート追加までできたので、何もできず積むだけにならず良かった。
しかしながら備考に書いた通りNATのパフォーマンスは非常に残念で、新し目のサポート済み機種へのリプレースを強く推奨。類似のWZR-300HP等についてもあまり魅力を感じないため、前述の通り積極的に動く予定は無し。factoryファームがスルッと入るのは良いのだが...。