いつも通り某フリマアプリを眺めていたところ、ジャンク扱いで¥1,000を切る出品があり衝動的に購入してしまったもの。
既にサポート済みのWRC-1750GS/GSVと一部を除き大方共通のハードウェアであるため、特に難なくサポートが完了し早いうちにマージされました。
まとめていきます。
仕様
前述の通り既にサポート済みのWRC-1750GS/GSVとほぼ同一のハードウェアであり、FlashとRAMの容量が異なるくらいの差。
法律の関係上、無線機能の使用は非推奨です。
- SoC: MT7621A (880MHz, 2C4T)
- RAM: DDR3 256MiB
- Flash: SPI-NOR 32MiB
- WAN/LAN: 1000Mbps/1000Mbps x4
- UART: J4, 57600bps(RJ45側から3.3V, GND, TX, RX)
その他詳細については、雑記を参照。
OpenWrt化
この機種も既存のWRC-*GS/GSV/GST(2)と同一のファームウェアフォーマットであるため、factoryイメージの生成を行えています。
- WRC-1750GST2を起動
- 通常通り電源を接続して起動。ルータモードを前提とする
- WebUIからファームウェア更新ページを開く
- PCとWRC-1750GST2を繋いで
http://192.168.2.1
にアクセスし、ファームウェア更新ページを開く - ファームウェア更新
- WRC-1750GST2のOpenWrtのfactoryイメージを選択し、アップデートを実行
- 完了
- Flashへの書き込みが完了後再起動され、OpenWrtで起動する
備考
この機種も変な癖は特にないのであまり書くことが無い。
- メーカーファームに戻す際は、公式サイトで公開されているアップデート用ファームウェアの先頭32byte(= 0x20、ヘッダ部分)を削って
firmware
パーティションにmtd
コマンドで書き込む マージ時点でOpenWrt 21.02用branchは既に切られた後だった関係で、21.02リリースにはWRC-1750GST2のサポートは入らないと思っていたものの、いつの間にか21.02用branchにcherry-pickされておりリリースに含まれる模様
作業時の色々
- 毎回恒例となっているが、factory生成コードを今回も使いまわせているのでとても楽。
- また、ハードウェア構成を記述するdts/dtsiファイルもWRC-*GS/GSV/GST(2)系列でおよそ大半のバリエーションをカバーできる状態になっており、今回WRC-1750GST2で追加したのはmtdパーティションのうち共通化できない一部のパーティションのみ。
色々
今回は本当にごくわずかな変更のみであったことから、購入後NCP-HG100の作業の合間に気分転換も兼ねてハードウェア確認とサポート組み上げ、投げ込みテストやその他チェックなど行ったがかなり短時間で済み、そのままPRを投げ込んだ。そしてPRも特にツッコミを受けることなくすんなりとマージされ、一気に完了。
既にディスコンとなっているものの中古ではそこそこの数が出ており、時々ある程度価格が落ちてくることから扱いやすいWRC-*GS/GSV/GST2系列の中でもFlashとRAMの多い機種の選択肢として良いかもしれない。
WRC-1900GST2は今のところ確保しておらず予定も無し。