大破ログ

日々大破、それと側転少々。PC関連その他、気になったことなどをつらつらと。

ELECOM WRC-2533GST2

WRC-2533GST2内部

前にどこかで聞いたような型番。以前サポートして記事を書いたWRC-2533GSTの後継機です。知り合いの伝手で偶然入手でき、サポート作業を行いました。まとめていきます。

仕様

基本的に、ハードウェアとしては2か所を除いてWRC-2533GSTとほぼ同一です。無線には2.4/5GHz帯それぞれにMT7615を搭載し、SoCはMT7621A。
FlashとRAMはそれぞれWRC-2533GSTから倍増となっています。OpenWrtで使う分には多いに越したことは無いけれども、IPv6関連だけでそんなに必要になるものなんだろうか。
法律の関係上、無線機能の使用は非推奨です

  • SoC: MT7621A (880MHz, 2C4T)
  • RAM: DDR3 256MiB
  • Flash: SPI-NOR 32MiB
  • WAN/LAN: 1000Mbps/1000Mbps x4
  • UART: J4, 57600bps(RJ45側から3.3V, GND, TX, RX)

その他詳細については、雑記を参照。

OpenWrt化

既にOpenWrtでサポートされているWRC-2533GSTやWRC-1900GSTと同一のファームウェア形式を採用しているため、factoryイメージを用意できています。この為、容易にインストールできます。

WRC-2533GST2を起動
通常通り電源を接続して起動。ルータモードを前提とする
WebUIからファームウェア更新ページを開く
PCとWRC-2533GST2を繋いで http://192.168.2.1 にアクセスし、ファームウェア更新ページを開く
ファームウェア更新
OpenWrtのfactoryイメージを選択し、アップデートを実行
完了
Flashへの書き込みが完了後再起動され、OpenWrtで起動する

備考

変な癖は特にないのであまり書くことが無い。

  • メーカーファームに戻す際は、公式サイトで公開されているアップデート用ファームウェアの先頭32byte(ヘッダ部分)を削って firmware パーティションmtd コマンドで書き込む

作業時の色々

  • 前述の通り、既存のWRC-2533GSTやWRC-1900GSTと同一のファームウェア形式であったことから生成用のコードを使い回すことができ、その辺がやはり楽だった。
  • 基本的にWRC-2533GSTとほぼ同一のハードウェアであることからWRC-2533GST, WRC-1900GSTとコードを共通化できたが、WRC-2533GST, WRC-1900GSTのサポートを行ったのがしばらく前である関係上今現在のOpenWrtの状況に何点かそぐわない箇所があったため、先にそれらを更新したうえでWRC-2533GST2のサポートを載せる形にした。
    具体的にはSPIの最大クロック上昇やMT7615のサポート追加など。
    ただし、FlashのサイズがWRC-2533GST2とそれ以外で異なる関係上、その辺は他から分離するなどした。
  • サポート作業開始当初、MT7615のドライバが存在する openwrt/mt76 内でMT7615におけるLEDのサポートに問題があり、この機種の2.4GHz, 5GHzのLED 2つが点灯させられない状況が生じていた。その関係でしばらく様子見で保留したが、少しして修正が行われたバージョンまで引き上げられたため再開して投げ込んだ。

色々

今回も大きなトラブル無く無事ゴール。今後何かあった時の為の付き合いは続くけれども。
サポートを取り込んでもらうべくPRを開いたとき、対応したOpenWrtのメンバーの方から "含まれるcommitのうち一つは二つに分離するけど、それ以外特段言うことないから後でマージするよ" と言われ短時間でクローズされたのは少々吹き出してしまった。普段何かしら突っ込まれることが多いので。今回は既存のコードに乗っかる部分が大きく、新規のコードがあまり多くなかった故かもしれない。