
これも以前からIPQ5018搭載機であることを把握しつつ、何度か確保を迷って先送りにしていたものです。
WRC-X3000GS2を確保したこともあり、ついでにIPQ50xx搭載機も、となって確保しました。
まとめていきます。
仕様
IPQ5018搭載機としては特段尖った点は無く、ath11k世代の無線を搭載する機種のRAMとしては少ない256MiBであったWRC-X3000GS2に対して、こちらは512MiBを搭載。
- SoC: Qualcomm IPQ5018
- RAM: DDR3 512MiB
- WAN/LAN: 1000Mbps x1/1000Mbps x4
- Flash: SPI-NAND 128MiB
- UART: J3, 115200bps(三角側から3.3V, TX, RX, NC, GND)
その他詳細については、雑記を参照。
OpenWrt化
ヘッダの構造がWRC-X3000GS2とほぼ同一である為、factoryイメージを仕立てられています。
- WN-DAX3000GRをルータモードで起動
http://192.168.0.1/のWebUIにアクセスしてファームウェア更新ページを開く- factory.binイメージを選択し、"更新" ボタンを押下してファームウェアの更新を実行
- 完了後再起動されOpenWrtで起動してくれば完了
備考
Flash内にはOSイメージ用領域が2組存在し、メーカーファームウェアにおいては、更新毎に他方へ書き込まれ更新後はそちらに切り替えられる。ブートに使用されるパーティションは
0:bootconfigと0:bootconfig1内のインデックスによって制御される。なお、OpenWrtではこの切り替えは行わず、最初に導入された方を使い続ける。
FlashストレージとしてMacronix MX35UF1G24ADを搭載するが、Linux Kernelに登録されている仕様上本来ECC strength=8でも問題無いはずが、実際のアクセス時にI/Oエラーを引き起こす為、1段階下げたECC strength=4でのサポートとしている。
この関係上、ブート中にSPI-NANDを認識する際
nand: WARNING: (null): the ECC used on your system is too weak compared to the one required by the NAND chipという警告が出るが、無視しても問題無い。
作業時の色々
基板のサイズは然程大きくは無いが、アンテナの設置場所の関係か、はたまた他機種とのある程度の共通化故か、筐体が基板サイズに対してだいぶ大きい。
WRC-X3000GS2同様にデュアルブートの挙動にやや癖があり、sysupgrade時の処理はWRC-X3000GS2用に作成したスクリプトを利用するようにした。
基板上に何故かスルーホールでUSB 2.0が用意されている。スルーホールはハンダで埋められていることもあり、これを利用するには筐体の開封とハンダ付けが最低限必要であることから利用機会に乏しいと判断し、Device Treeで無効のままとした。
色々
中古市場ではWRC-X3000GS2よりも少数の印象があるものの、11ax (Wi-Fi 6)世代機でありながら、ミドルレンジ帯故か現在では中古価格が大きく下がり、入手しやすくなった機種。
ハードウェアとソフトウェアの両面でWRC-X3000GS2に非常に近いことから、サポートに伴う新規コード量が抑えられたので良し。
本機種もv24.10シリーズには入らず、その次のメジャーリリースからです。